【FC加盟検討前の厳選Q&A 7選!】フランチャイズ起業の先に待つものとは?
数回に渡ってフランチャイズに関するよくある疑問をQ&A形式で解説していきます。このシリーズを一通りご覧いただければ、フランチャイズの基礎知識から契約、加盟などに関する知っておくべき知識までを幅広く知ることができるように構成していますのでぜひご覧ください!
2回目の今回はフランチャイズへの加盟を検討し始めた方が気になる厳選した7つの疑問を見ていきます。
目次
Q9:誰でも好きなフランチャイズに加盟できるの?
Q10:フランチャイズのオーナーに向いているのはどんな人?
Q11:開業資金が大きめな理由は何?
Q12:フランチャイズはこれからも伸びるの?
Q13:人手不足が叫ばれているけどフランチャイズの店舗では大丈夫なの?
Q14:副業でフランチャイズのオーナーになれるの?投資型フランチャイズとは?
Q15: フランチャイズ起業の先には何がある?
【FCの加盟検討前の厳選Q&A 7選!】フランチャイズ起業の先に待つものとは?
Q9:誰でも好きなフランチャイズに加盟できるの?
A9:加盟契約を結ぶ前にフランチャイズ本部側で審査をするのが一般的です。
加盟者が100%成功するようなフランチャイズビジネスは存在しない、ということは「Q8:フランチャイズに加盟したら絶対に儲かるの?」で解説しました。
そう考えると、フランチャイズ本部にとってビジネスパートナーである加盟店のオーナーを選ぶのは必然と言えます。なぜなら、フランチャイズ本部としても加盟店に成功してもらい、ブランドの価値を高めるとともに、毎月のロイヤリティなどの安定した収入が欲しいからです。
ある加盟店の経営がうまくいかなくなると本部はロイヤリティを取りっぱぐれるかもしれません。また、加盟店が長く営業をしてくれないと、本部側としても開業支援、初期の研修やSVといった人件費などの出費が無駄になってしまいます。さらに、広い目で見るとうまくいっていない加盟店があると本部のみならず、他の加盟店の足を引っ張ることにもなるのです。
契約期間内に廃業するようなことになれば場合によっては違約金が入ることもあるかもしれませんが、そのフランチャイズチェーン全体の長きに渡る繁栄を考えると、着実に繁盛店が増えていくに越したことはありません。
とりあえず誰でも加盟はさせるけど、加盟してしまったら大したサポートもしない、といった無責任な本部には気を付けましょう。最初の加盟金や違約金目当てで加盟店オーナーを募集しているような悪質なフランチャイズ本部もありますが、そこは契約前の情報収集をしっかりと行い、オーナー側から願い下げしなければなりません。
自分にぴったりなフランチャイズの見つけ方を詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
Q10:フランチャイズのオーナーに向いているのはどんな人?
A10:他人任せではなく経営者としての自覚を持てる人、そして素直な人がオーナーに向いています。
フランチャイズに加盟すれば本部はできる範囲で最大限オーナーのサポートをしてくれるでしょう。しかし加盟店のオーナーはフランチャイズ本部とは資本関係の無い別の事業者だという事を忘れてはいけません。
その店舗の経営者はフランチャイズ本部ではなくオーナー自身であり、お金のやりくりや会計・従業員の採用や教育・店舗の運営などを自分の責任で管理し、収益の向上を目指していかなければなりません。もちろん経営者として収益を向上させれば自分の収入が増える一方で、最悪借金を背負って廃業になる可能性も考えなければならないのです。
「成功率の高いフランチャイズに加盟したのだから本部の指示に従っておけばいいだろう」と思わずしっかりと経営者としての自覚、そしてアントレプレナーシップ(企業家精神)を持つようにしましょう。
一方でフランチャイズの特性上、オーナーには素直な姿勢も必要です。フランチャイズ本部は過去の成功や失敗から得たノウハウを蓄積しており、自分たちが儲けるためにもそのノウハウを加盟店に提供します。たとえ担当のSVがオーナーよりも年下の若輩者であったとしても、その業界で成功するための情報を沢山持っているのです。
脱サラしたオーナーだとなおさら自分よりも若いSVからあーだこーだ言われることに抵抗を覚えるかもしれませんが、謙虚な姿勢で本部が蓄積してきたノウハウを享受することが成功への着実な歩みと言えます。
勘違いしてはいけないのは、素直とは言っても本部から言われることしかしない、という訳ではありません。しっかりと経営者の立場に立ってアントレプレナーシップを持ち、必要なことは自分から本部に相談・提案をしたり、収益の改善になる施策を検討して実行していく、といった姿勢で経営に臨むことが重要です。
フランチャイズで起業する時に成功率を上げる心構えはこちらをご覧ください。
Q11:フランチャイズの開業資金が高めに感じる理由は何?
A11:個人でお店を持つための資金の他に本部に支払う加盟金等があるためです。
例えばハウスクリーニングを自分で開業するとなると、店舗を構える必要もなく、必要な道具を揃えれば開業をすることができます。しかしフランチャイズではそこに加盟金というものが乗ってきます。
加盟金は業種によっても本部によってもその額は様々で、0円のフランチャイズもあれば、数百万円のフランチャイズもあります。そこにさらに研修費やシステム使用料といったものが上乗せされるのが普通で、ハウスクリーニングの場合は独自開発の掃除用具を購入しなければならない場合もあります。
その結果、特にお手軽に開業できそうな業種・業態ほど、どうしても個人で開業するよりも必要な開業資金は高いように感じます。しかし、その分その本部の看板を使用でき、運営や作業のみならず営業に関する研修やサポートを受けられるのです。また、既に開業しているオーナーの収益などを参考にできるので、初期費用の融資を受ける時の計画も立てやすく、返済までの目途もだいぶ正確なものとなります。
一概に「フランチャイズは開業資金が高い!」と悲観的になるのではなく、加盟するメリットと加盟金や毎月支払うロイヤリティ等を天秤にかけ、納得してから契約に進んでいくようにしましょう。
開業資金についてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
Q12:フランチャイズはこれからも伸びるの?
A12:統計が開始された1983年から現在までフランチャイズは伸び続けています。
日本の企業でフランチャイズというシステムが本格的に開始されたのは1963年のダスキンと不二家です。そこからフランチャイズシステムが広がり始めて現在では街で見かけるお店や看板を出している店の4割がフランチャイズの加盟店だとも言われています。
JFA(日本フランチャイズチェーン協会)の統計を見てみました。一番古い統計が1983年度(昭和58年)だったので、最初に1983年度と2017年度の36年間の比較です。
チェーン数
1983年 | 2017年 | 伸び率 | |
総計 | 512 | 1,339 | 262% |
小売業 | 172 | 339 | 197% |
外食業 | 266 | 576 | 217% |
サービス業 | 74 | 424 | 573% |
店舗数
1983年 | 2017年 | 伸び率 | |
総計 | 67,518 | 263,490 | 390% |
小売業 | 26,653 | 109,708 | 412% |
外食業 | 31,307 | 58,554 | 187% |
サービス業 | 9,558 | 95,228 | 996% |
売上高(百万円)
1983年 | 2017年 | 伸び率 | |
総計 | 3,443,539 | 25,559,802 | 742% |
小売業 | 1,813,617 | 18,185,594 | 1003% |
外食業 | 1,156,140 | 4,193,933 | 363% |
サービス業 | 473,782 | 3,180,275 | 671% |
出典:日本フランチャイズチェーン協会.フランチャイズチェーン統計調査
これは36年間の動向になります。全業種併せて店舗数が390%、売上高が1,003%まで伸びています。特に目立つのがサービス業のチェーン数や店舗数の増加と、小売業(影響力が大きいのはコンビニです)の売上高の増加でしょうか。長きに渡ってフランチャイズシステムを導入した企業の店舗数や売上高が伸びていることを見ると改めてフランチャイズシステムの強力さがわかる気がします。
続いて直近の短いスパンで見てみましょう。2013年度から2017年度の5年間の比較です。
チェーン数
2013年 | 2017年 | 伸び率 | |
総計 | 1,304 | 1,339 | 103% |
小売業 | 345 | 339 | 98% |
外食業 | 550 | 576 | 105% |
サービス業 | 409 | 424 | 104% |
店舗数
2013年 | 2017年 | 伸び率 | |
総計 | 252,514 | 263,490 | 104% |
小売業 | 101,660 | 109,708 | 108% |
外食業 | 57,683 | 58,554 | 102% |
サービス業 | 93,171 | 95,228 | 102% |
売上高(百万円)
2013年 | 2017年 | 伸び率 | |
総計 | 23,477,314 | 25,559,802 | 109% |
小売業 | 16,454,616 | 18,185,594 | 111% |
外食業 | 4,032,968 | 4,193,933 | 104% |
サービス業 | 2,989,730 | 3,180,275 | 106% |
出典:日本フランチャイズチェーン協会.フランチャイズチェーン統計調査
小売業のチェーン数は、コンビニのブランド統合等により減少していますが、それ以外は堅実な伸びを見せていることがわかります。JFAによるとチェーン数と売上高は8年連続の増加、店舗数は9年連続の増加ということで直近でもフランチャイズが伸びていることがわかりました。もしもフランチャイズというシステムが魅力的なものではないとしたら、ここまで何十年にも渡って成長し続けることはできないのではないでしょうか?
フランチャイズの業種ごとの伸び率を知りたい方はこちらをご覧ください。
Q13:人手不足が叫ばれているけどフランチャイズの店舗では大丈夫なの?
A13:働き手不足の状況から逃げることはできませんが、フランチャイズならではの強みがあります。
働き手不足が叫ばれるようになって久しい近年。最低賃金も増加しておりパートやアルバイトが集まらず、オーナー自身が働く時間を増やすしかなくなり、最終的に店舗の継続が難しくなるということが発生します。
それはフランチャイズであろうがなかろうが、共通の問題です。ここ数年でコンビニや飲食店で外国人の店員が増えたことは誰もが知るところでしょう。さらにAIを活用した無人店舗やレジロボといった新しい技術を活用しているチェーンもあります。
しかし、フランチャイズ展開をしているチェーンではその強みを活かした求人を行っているところもあります。まずフランチャイズシステムで多店舗展開をしているチェーンは世間の知名度や信頼度があり、ブランドのイメージが良ければそれだけでそうでないチェーンと比較して優位に働き手を集める事が出来ます。
また、そもそもフランチャイズというのはどの店舗でも同じクオリティのサービスを提供する必要があるため、各従業員のスキルに関わらず一定の品質のサービスを提供できる仕組み作りに努めています。その結果、働き手の資質をそこまで問う必要がなくなるため求人に有利になります。
さらにフランチャイズによっては本部が設置したコールセンターで求人の受付を一括で代行してくれたり、塾では講師自体の派遣や映像授業による人件費の削減を実現している場合もあります。
質屋、ハウスクリーニング、リペアなど1人で開業できるフランチャイズや代理店もあるため、最初は1人で開業し、軌道に乗ってきたら事業を拡大して働き手を探すという方法もあります。
フランチャイズの説明会などで、既存店舗での求人についてはどのような状況なのか、何か本部のサポートはあるのか、といった点を質問してみると良いでしょう。
Q14:副業でフランチャイズ起業できるの?
A14:特に代理店では副業として起業できる本部も多いですが、フランチャイズでも業態によっては副業としての起業が可能です。
現在サラリーマンとして働いている人は、リスクを減らすためにも最初は副業として起業してみたいと考える人も多いでしょう。結論から言えば副業として起業できるフランチャイズや代理店はたくさんあります。
例えばレザーや塗装などのリペアビジネス、ネットショップの運営、ハウスクリーニング、結婚相談所などどちらかといえばサービス業の代理店が多いかもしれません。一方であまりイメージできないリラクゼーションや塾などのフランチャイズでも、副業OKとしてオーナーを募集している本部もあります。こういった本部では、基本的に店舗の運営は従業員に任せオーナーは月に数回程度店舗に顔を出す程度で基本的に経営に集中する、というスタンスが多いようです。
また、近年はコインランドリーや幼児向け教育において、オーナーは本当に投資するだけ、という「投資型フランチャイズ」というものも出てきています。副業として始めるには最適で、従業員の採用・教育も不要で自分が店舗に立つ必要もありません。ただ、自分の経営判断ではなく、本部に頼ることになるため、自分のミスでなくても損失を被る可能性がある、というデメリットもあります。
これらの副業で起業できるフランチャイズや代理店では店舗を構える必要がないものも多く、低リスクで始めるにはもってこいと言えるでしょう。加盟を検討する際には契約期間や違約金を特に注意して契約に臨みましょう。
このように副業で始められるフランチャイズや代理店も数多くあるので、ご覧いただいているみんコレ!フランチャイズなどの比較サイトで「副業からスタート」といった特徴で絞り込んで検索してみると良いでしょう。
また、副業可、という本部であっても場合によっては働き手が確保できないときはオーナーが店頭に立つ必要が出てくることもあるでしょうし、本業の傍らで副業を成功させるとなると、家族との時間や睡眠時間を削って仕事をしないといけないかもしれません。副業といえど、起業家として事業を始めるわけですから忙しくなる覚悟を持ち、しっかりと下調べや準備をして起業に臨みましょう。
Q15:フランチャイズ起業の先に待つものとは?
A15:多店舗展開、マルチフランチャイジー、メガフランチャイジーなどフランチャイズ起業は「大」成功を収めるチャンスをくれます。
まず起業をするということは、脱サラして「雇われない生き方」をスタートすることになります。フランチャイズでの起業は、言うまでもなく個人で起業する場合と比べるとそのハードルは下がります。言い方を変えるとフランチャイズのシステムは、経営の知識も経験もない脱サラ組にそのチャンスを与えてくれるとも言えます。
フランチャイズについてあまり詳しくない人は、オーナーは自分のお店を持ち一国一城の主としてそのお店の経営に全力を尽くしていくイメージが強いかもしれません。しかしフランチャイズシステムは起業家にとって一国一城の主よりもさらに大きな成功を収めるチャンスを与えてくれます。
自分で0から商品やお店を作るとなるとそれこそハイリスクハイリターンの勝負となります。しかし既にオーナーたちを成功させるためのパッケージを作り上げているフランチャイズに加盟する場合はその限りではありません。自分にとって未知の事業であったとしても参入しやすいのはフランチャイズの特徴の一つとも言えますが、ということは、最初の店舗で経営や店舗運営の要領も掴みやすく、スピード感を持って店舗数を増やしていける、と想像するのは容易なことではないでしょうか?フランチャイズ本部は多店舗展開に関するノウハウも所持していることがほとんどです。
多店舗展開をしていくことのメリットもたくさんありますが、2店舗、3店舗と増やしていったさらに先に待っているのは「マルチフランチャイジー」「メガフランチャイジー」です。
マルチフランチャイジーとは複数のフランチャイズ本部に加盟をしているフランチャイジー(オーナー)を指し、メガフランチャイジーとは明確な定義ではありませんが一般的には30店舗以上を経営し、年商20億円以上のフランチャイジー(オーナー)を指します。
多店舗化を進めて利益を増やしていくと、税金などの観点から法人化を検討することになるでしょう。そうなると経営者としてさらに多くの事を学び考えなければならず、自分の負担は増えますし、背負うものは大きくなります。しかし繰り返しになりますが、自分で0から始める場合と比較すると、フランチャイズ起業だとそのスピード感と成功の確率は飛躍的に向上します。
さらに、もしかしたら自分が生み出したブランドをフランチャイズ展開していきたい、という野望も生まれてくるかもしれませんし、それが決して夢ではない、とも思えることでしょう。
あるフランチャイズチェーンが話題になると、注目されるのはフランチャイザーですが、その裏には年商数十億、数百億のメガフランチャイジーがたくさんいます。フランチャイズオーナーとして起業し、まず最初に1つ目の店舗を成功させることは重要ですが、更なる野望を抱いてフランチャイズ起業を考えてみてもよいのではないでしょうか?
フランチャイズによる多店舗展開のメリット・デメリットを詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
まとめ
今回はフランチャイズ起業を検討するにあたり、その理解をさらに深めるためフランチャイズでの働き方やフランチャイズ起業の先に待つものなどをQ&A形式で紹介してきました。
フランチャイズシステムは日本では1960年代に広まり始めそれから半世紀に渡って成長を続けています。チェーン数も店舗数も伸び続けていることから多くの企業家や個人事業主を惹きつけてやまないビジネスモデルと言えます。
フランチャイズでの起業を成功させるために事前にしっかりと情報収集をし、自分にとって理想的な「雇われない生き方」を目指していきましょう!
プロがズバッと伝授。フランチャイズ加盟を成功に導く知識
presented by みんコレ!起業・独立・開業なび