起業を考え始めた人が一番最初に読む記事 日本の起業環境とは
先行きが不透明な現代において、経済的な不安から起業・独立・開業を検討したことがある方も多いのではないでしょうか?
従来日本は起業する人が少ないと言われています。実際に日本人の起業に対する意識が低いことはGEMという調査結果を見ると知ることができます。
しかし!近年の日本では起業に対するハードルがどんどん下がっており、テレビやSNSでも起業家が話題になることもあるので今までと比較して起業を身近に感じられるようになってきました。
この記事では起業を考え始めた人が、「起業」というものの概要を掴めるように、言葉の定義から日本での起業を取り巻く環境、日本での起業がしやすくなっている理由まで丁寧に解説していきます。
フランチャイズでの起業についてもっと知りたい方はこちらをご覧ください。
目次
〇起業とは?
・起業とは?
・現在の起業でポピュラーなのは株式会社と個人事業主
・何歳から起業できる?
〇日本の起業を取り巻く環境の変化
・日本人は起業に対して消極的?
・日本で起業する人が少ない理由
〇日本で起業がしやすくなっている理由
◆インターネットの普及
◆起業家支援サービスの充実
◆資本金1円から株式会社が作れる
◆資金調達の多様化
◆シェアオフィスなど新しいオフィスの形が充実
〇まとめ
起業とは?
起業とは?
そもそも「起業」とはどういう意味なのでしょうか。
なんとなく、起業=会社を始めること、というイメージを持っている方も多いかもしれません。
まず初めに起業という言葉の意味について確認しておきましょう。
「起業」とは
新しく事業を始めること
出典:goo国語辞書
を指します。
「事業」とは
生産・営利などの一定の目的を持って継続的に、組織・会社・商店などを経営する仕事
出典:goo国語辞書
ということで、合わせると
起業とは「生産・営利などの一定の目的を持って組織・会社・商店などの経営を新たに始めること」を指します。
ちなみにですが、アントレプレナーという言葉を聞いたことがあるでしょうか?実はこれは英語で見ると少し読みにくいのですが、
entrepreneur = アントレプレナー = 起業家
entrepreneurship = アントレプレナーシップ = 起業
となります。これから起業を目指していく人は意外と耳にする言葉なので覚えておいて損はないでしょう。
現在の起業でポピュラーなのは株式会社と個人事業主
起業が「生産・営利などの一定の目的を持って継続的に、組織・会社・商店などを経営する仕事」であるとすれば、別に起業するためには法人を立ち上げる必要はないと言う事もできます。
とはいっても現実的に起業をして収益を得るという意味での起業については、「株式会社」をつくって起業する方法と「個人事業主」として起業する方法の2つの主なパターンだと考えて良いでしょう。
法人の中で営利目的のものを「会社」と呼びます。会社には4種類ありますが、「合名会社」と「合資会社」については経営者が負う責任が無限になるため、リスクが大きく現在は一般的ではありません。
一方で「株式会社」と「合同会社」はどちらも経営者が負う責任は有限であり、さらに社会的な認知度が大きく出資者を募ることを考えると株式会社で法人化することが多くなっています。
個人事業主とはシンプルに法人を設立せずに自分で事業を行っている個人の事を指します。
それぞれの詳細やメリット・デメリットを知りたい方はこちらの記事をご覧ください・・・準備中
何歳から起業できる?
未成年の方でも起業はできるのでしょうか?
答えとしては、小学生でも起業は可能です。
ただし、株式会社の代表取締役にはなれません。なぜなら、法人登記をするときに印鑑証明が必要となりますが、これは満15歳にならないと取得できないためです。個人事業主としてであれば問題はなく、例えば棋士の藤井聡太さんは14歳ですが個人事業主ということになるらしいです。
ここで株式会社の取締役社長として活躍する中学生の記事を見つけたのでリンクを貼らせていただきます。代表取締役ではないにしても自分で新しく事業を始めている、と考えると彼も立派な起業家です。
日本の起業を取り巻く環境の変化
日本人は「起業」に対して消極的?
実は日本は世界的に見ても起業に関して非常に消極的だというGEM(Global Entrepreneurship Monitor)の調査結果も出ています。GEMは起業活動が各国家の経済成長・競争力・雇用などへの影響を測定したもので、日本を含む60か国以上の国を対象としています。
2016年度のGEM調査結果によると、日本の起業活動の活発さ(TEA)は66か国中56番目となっています。なんとなく想像はついていたものの改めて数字で見ると日本において起業がいかに一般的ではないかがわかります。
もう一つだけGEMの調査結果を見てみましょう。
起業をするためにはリソースの調達やビジネスのシステムの構築、リーダーシップの発揮などが必要になってきますが、そのためには知識・能力・経験が必要になります。そこでGEMでは「新しいビジネスを始めるために必要な知識、能力、経験を持っていますか?」という質問を行い、これらを持っている、とする成人人口の割合を見ています。
この調査結果では日本は66か国中で残念ながら最下位となっており、さらに、その上昇傾向も見られない、という状況になっています。
これらの結果を見ると、日本人としてはあまり良い気はしませんが、世界は起業に対して少なくとも日本よりはポジティブに捉えている訳で、逆に言えば起業に消極的な日本にはビジネスのチャンスが他の国と比較してゴロゴロ転がっていると考えることもできます。
GEMでは今回紹介したTEAの他にも「事業機会の認知」「失敗に対する怖れ」「起業活動に対する評価」など気になる結果が多く出ているので起業に興味がある方は一度覗いてみても良いかもしれません。
日本で起業する人が少ない理由
それではなぜ日本は起業に対する意識が低く、実際に起業をする人が少ないのでしょうか?いくつか考えられる要因を考えてみましょう。
・そもそも起業が身近ではない
・不確実性(リスクを取る)を嫌う国民性
・既得権益が強い
・他国に比べて起業のリスクが大きい
・成功者に嫉妬して称賛を送らない文化
・探せば就職先が見つけやすく起業に関心が向きにくい
・失敗した人に対して社会的に厳しい
・ファイナンスの知識が不足
といったことが挙げられるようです。
これらは一言で「日本人の国民性のせいだ」と言い切ることはできず、法律や政府の方針による原因も大きくありそうです。
しかし!実は日本の起業環境は良い方向に変化しつつあります!
ここまでは起業に関して少しネガティブな話をしてきましたが、次は起業に関するポジティブな話をしていきましょう。
日本ではどんどん起業のチャンスが大きくなっている!
近年は日本で今まで当たり前であった終身雇用が崩壊しており、大企業に勤めれば一生安泰という時代ではなくなりました。また、普段生活している中でもテレビで若い起業家が紹介されていたり、自分の身の回りにも実際に起業をしている、といった話を聞くことが増えており昔よりも起業を身近に感じている人も多いのではないでしょうか?
実際日本では起業をするハードルが一昔前と比べて下がっており、今まで起業が選択肢に無かった多くの人にとっても起業は現実的な選択肢となりつつあります。
それでは具体的にどのように起業のハードルが下がっているのでしょうか?
◆インターネットの普及
これは日本だけに限った事ではありませんが、インターネットの普及によりお金をかけずに膨大な量の情報にアクセスできるため、起業についての情報も簡単に入手でき、起業に関する知識を得ることが容易な時代になりました。
また、「友人が起業したらしい」というところからSNSの普及によりさらに進んで「友人の友人が起業したらしい」といった情報も入ってきやすくなり「起業」が少しだけ身近に感じてきている人も多いのではないでしょうか。また、報道では嫉妬が感じられた昔と比べて起業家がかっこよく取り上げられている事も多くなりました。
さらにインターネットは情報の取得だけでなく、起業の新たな方向性を作り出しました。
インターネット上で広く仕事を受注できるクラウドソーシング、インターネット上で商品の売買が簡単にできるECサイト、サイトを運営して広告収入を受けとるアフィリエイト、子供がなりたい職業ランキングで上位に躍り出たユーチューバーなどインターネットはより自由に、お手軽に起業することを可能としました。
日本のネットワーク環境は世界でもトップクラスであるため、情報の入手という面でも起業後のビジネスの舞台としても土壌は整っているという事ができます。
◆起業家支援サービスの充実
現在は少し調べれば、「起業支援サービス」「起業セミナー」「起業コンサルティング」など、起業をサポートする数多くのサービスを見つけることができます。SNSでも起業家団体のオンラインサロンやセミナーなどの広告が表示される人も多いのではないでしょうか。
これらのサービスは自分が起業して成功している人が運営している場合もあれば、行政書士、税理士など士業の方がサポートをしてくれる場合もあり、自分にあった支援を受けることができる環境が整ってきました。
起業後にも起業家のコミュニティやパートナーとなる士業の紹介などのサービスが充実しています。
◆資本金1円から株式会社が作れる
2006年までは株式会社の設立には1,000万円の資本金が必要であったため、資金の問題で起業を断念する場合もありました。しかし、2006年5月に新会社方が施行され、なんと1円の資本金で株式会社を設立することができるようになりました(法人登記費用などは別途必要になります)。
これにより1,000万円の資金を用意できない人でも株式会社を設立して起業する、というビジョンが浮かび上がったことになります。
ただし、1円起業には懸念点もあるため、しっかりと下調べをしたうえで資本金を決定することが必要です。
◆資金調達の多様化
起業時に資金を集めるためによく使われる融資は日本政策金融公庫の「新創業融資」で、条件にもよりますが、融資限度額は最大3,000万円となっています。各自治体でも融資や補助金・助成金を設けているため、一度起業を検討している地域で活用できそうな制度を確認してみることをお勧めします。
創業融資について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
また、ベンチャーキャピタル(VC) による投資が活発になってきています。ベンチャーキャピタルとは将来を期待できる未上場企業に対して投資をし、将来的に株式の売却による資金回収を狙う投資会社です。
新しい資金調達方法としてはクラウドファンディングがあります。クラウドファンディングとはCrowd(群衆)+Funding(資金調達)が由来で、起案者がインターネット上でアイデアや目的を掲げ、それに共感してくれる不特定多数の人から資金を集める仕組みです。アニメの制作費や骨伝導イヤホンの開発で資金調達に成功した話などが有名です。
◆シェアオフィスなど新しいオフィスの形が充実
法人は登記をするときに「本店」が必要ですし、個人事業主も働き方によっては自宅ではなくオフィスが欲しいこともあるでしょう。一昔前は起業するときには自宅をオフィスにするか、賃貸契約で自社専用のオフィスを構えるのが一般的でした。
賃貸オフィスはもちろん自社だけが使うため、内装も自由にできますし他社の人に気を遣うような必要もなく、なにより顧客からの信用が大きいといったメリットがあります。しかし一方で賃貸契約の初期費用や設備費が負担になったり、オフィスとして稼働させるまでの時間がかかるといったデメリットもあります。
そこで近年話題になっているのがレンタルオフィス(シェアオフィス・コワーキングスペース)やバーチャルオフィスです。
レンタルオフィスはオフィスに必要な設備や備品が整っている空間を借りられるサービスです。オフィス部分は大きなスペースを間仕切りされて個室のような形で提供されることが多く、会議室などは共有で使用できる施設が多いです。賃貸オフィスよりも初期費用や賃料が安く、内装や設備の準備をする必要もないのでお金も準備の時間も抑えて起業に臨むことができるという点で起業家の味方になっているようです。
そしてさらに低コストでお手軽なのがバーチャルオフィスです。これはその名の通りバーチャル(仮想)オフィスの住所を借り、その住所で登記ができるサービスです。もちろんリアルなオフィスを借りるよりも圧倒的に安く済ませる事が出来ます。
このような新しい形のオフィスが充実してきたことで起業するときの金銭的、時間的なハードルがぐっと下がったと言えるでしょう。
まとめ
この記事では「起業とは?」とった言葉の定義から、日本人の起業に対する意識の低さ、なぜ日本での起業のハードルが下がっているのかまでを解説してきました。
終身雇用制度も崩壊、将来の国からの保証に対する不安、といった自分を取り巻く環境の変化や、「自分がやりたい仕事をする」「社会を変えていきたい」といった自己実現を重視する考え方の浸透により近年日本では起業が注目されてきています。
記事でも紹介してきたように1円から株式会社が設立できるようになったり、資金調達方法が多様化したことなどで、今まで起業が選択肢にすら入っていなかった人にでも起業は身近なものになりつつあります。
今後のあなたの人生を考えるにあたって「起業」を1つの選択肢に入れてみてはいかがでしょうか?
フランチャイズでの起業についてもっと知りたい方はこちら、
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