成功しているフランチャイズ本部の秘密① 4Sスパイラル
「将来性のあるフランチャイズはどこ?」「サポートがしっかりしているフランチャイズはどこ?」など、フランチャイズに加盟するにあたっての疑問や不安点はたくさんあるものです。もちろん気になっている各フランチャイズの情報を調べることも大切ですが、まずはフランチャイズが成長していくプロセスやフランチャイズ本部が本来持つべき機能を知っておかないと、そのフランチャイズの本質的なところは見えてきません。
そこでこれから二回に渡って、フランチャイズ本部を比較するときに知っていると役に立つ「4Sスパイラル」と「10の機能」について確認していきましょう。今回は「4Sスパイラル」を、「10の機能」については「成功しているフランチャイズ本部の秘密②」で見ていきます。
成功するフランチャイズ本部に欠かせない「4Sスパイラル」とは?
「4Sスパイラル」はフランチャイズとして、これからあるブランドを展開していくためには必須の考え方で、以下の4つの英単語の頭文字を取っています。
1.Success
2.Standard
3.System
4.Satisfaction
フランチャイズの立ち上げからこの4つの過程を順番に得てフランチャイズは店舗数を増やし拡大していくということになります。それでは1つずつ見ていきましょう。
1.Success→成功
これからフランチャイズ展開していくにあたり、加盟希望者にとって魅力的な成功業態を創造するという段階です。フランチャイズ本部が加盟者に提供する「成功するパッケージ」は、そもそも成功事例が無ければ作ることはできず、またその成功事例が魅力的でなければ加盟希望者は集まりません。
よって、フランチャイズ展開を図る場合は、まずこの成功事例を作ることが必須となります。つまり少なくとも一軒の繁盛店を生み出すことからフランチャイズの全てが始まるのです。一軒に限らずさらに成功事例を重ねれば重ねるほど成功できる精度が上がるため、フランチャイズとしての成功確率も上がっていきます。
初めは直営店で成功事例を作り、そこをお手本として加盟店を増やして拡大していくとうのがフランチャイズ立ち上げの基本的な形となります。直営店は本部の理念やオペレーションが浸透している店舗ですので、フランチャイズ選びの時に可能であれば訪問してそのオペレーションを見たり店舗の雰囲気を感じてみたりすると良いでしょう。自分がオーナーになった気持ちでお店を見渡してみると良いかもしれません。
2.Standard→標準化
フランチャイズシステムで多店舗化するためには、同じブランド内の全ての加盟店で同じオペレーションを実行し、同じイメージを保つ必要があります。これはフランチャイズで成功している業態の1つであるコンビニを想像していただければわかりやすいと思います。全ての店舗で同じロゴ、同じ店舗デザイン、同じユニフォーム、同じ接客、同じ品揃え(店舗によって多少の違いはあり)、同じ会計の流れなどが当たり前のようになされています。
これはお客様が同じブランドのどこのお店に行っても、同じ雰囲気の店舗で同じ味や量の食事ができ、同じクオリティのサービスを受けることができるようにするためです。
そこで各オーナーたちに対して加盟店が目指すべき姿を標準化し、マニュアルなどによりテキストや画像で見える化をする必要があるのです。そのマニュアルがあることによって各加盟店は自分たちの目指すべき姿が明確になり、かつ本部にとっても軸をブラさずにオーナーやその従業員への指導をすることが可能となります。
3.System→システム化
2で標準化しても、それを運用するためのシステムを作り上げなければフランチャイズはうまくはいきません。店舗数が少ないうちは本部スタッフが長時間滞在し、直営店のようにすべてに目が行き届くかもしれません。しかし店舗数が増えてくるとそう簡単にはいかなくなってきます。
そこで標準化したものを各加盟店に浸透させ、またそれをサポートするためのシステム化が必要になるのです。店舗の設計や内装、オーナーや従業員の研修、食材や販売物の仕入れ、情報システムの構築、チラシやホームページなどの集客・販促の方法、オーナーに対する経営面でのサポートなどシステム化する項目は多岐に渡ります。
ここをしっかりしておかなければ、同じブランドの店舗間で商品やサービスのクオリティに差ができ、オーナーが本部の掲げる理念を理解せず好き勝手に運営をしてしまうなどの問題が発生し、お客様からの信頼を失いかねない事態となってしまうのです。
4.Satisfaction→満足
このようにシステム化された成功するためのパッケージに基づいて、店舗が運営されることにより、お客様は同じブランド内の全ての店舗で同じクオリティの商品やサービスを受けることが可能となります。その結果、世間やお客様の間でブランド全体の認知度や信頼性が上がり、フランチャイズチェーンとしての販促効果を生み出します。
また運営がうまくいき、売上が上がることで、お客様だけではなく加盟店のオーナーの満足度もフランチャイズ本部の満足度も上がります。
ここまでのプロセスのすべてはこの満足を得ることが目的とも言えます。
4Sスパイラルの繰り返し
さらに1、2、3、4という流れで多くの店舗が営業を続けていくと、各店舗ごとに新たな「成功」事例が生まれてきます。その成功事例を他の店舗にも適用できるように「標準化」し、その標準を各店舗に浸透させるように「システム化」をすることになります。その結果一周目のスパイラル以上にお客様も、加盟店のオーナーも、フランチャイズ本部も「満足感」が高まることになるのです。
さらに「成功」→「標準化」→「システム化」→「満足」、
さらにさらに「成功」→「標準化」→「システム化」→「満足」、
さらにさらにさらに「成功」→「標準化」→「システム化」→「満足」、
とこのスパイラルを繰り返してどんどん満足感を高めていく、というのが成功するフランチャイズ本部に欠かせない4Sスパイラルの全貌です。
また、最近の傾向としてすべてフランチャイズ本部が主導で決めるのではなく、加盟店同士のやりとりの間で生まれた新しいアイデアを本部が吸い上げ、それを標準化、システム化するというパターンも多くなってきています。そうなってくると、本部と加盟店とが協力してより良いフランチャイズを作り上げているという意識にも繋がり、オーナーのモチベーションも保ちやすいのです。
まとめ
今回は成功するフランチャイズ本部に欠かせない4Sスパイラルを見てきました。もしかしたらオーナーになろうとしている自分には本部のことは関係ない、と思う方もいるかもしれません。しかし、自分がフランチャイズで起業することを考えている以上、フランチャイズの仕組みを理解することは非常に重要です。
4Sスパイラルや10の機能を知っていることで、本部へ訪問した時に質問するべきこともはっきりとしてきますし、それらを確認することで将来伸びていきそうなフランチャイズかどうかを判断する参考になります。また、本部が持つ機能を理解することにより自分がフランチャイズに加盟してからの流れもスムーズになり、仕事への取り組み方や本部との関係性の築き方にも影響してきます。その結果、フランチャイズでの起業の成功率があがるのです。
自分がお金を出してオーナーとなるのですから本部任せではなくしっかりとその仕組みを理解し、フランチャイズでの起業をばっちり成功させましょう!
「成功しているフランチャイズ本部の秘密②」では成功するフランチャイズ本部に欠かせない10の機能について解説をしています。
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