フランチャイズへの加盟から開業するまでの一般的な流れはコレ!
いざ「フランチャイズで起業しよう!」と決断をしても、その流れがわからないという人は意外に多いのではないでしょうか。全体の流れを少しでも知っているだけで開業までの計画も立てやすく、心に余裕を持って開業の準備を進めていけるものです。
この記事でフランチャイズへ加盟し開業するまでの一般的な流れを掴み、成功に向けて現実的な計画を立てられるようになりましょう。
フランチャイズで開業するまでの一般的な流れ
フランチャイズで開業するまでの流れは上記のフローチャートのようになります。ここから1つずつ確認していきましょう。
①フランチャイズについて知る
これから失敗することのできない開業をしていくのですから、まず初めにフランチャイズについて知る必要があります。「人からフランチャイズが良いと聞いたから」、「開業するなら聞いたことがあるブランド名が良いから」など明確な理由がなく「とりあえずフランチャイズ」という選び方は後から後悔する原因になります。
フランチャイズとは何なのか、フランチャイズに加盟するメリット・デメリット、フランチャイズへの加盟に関する成功事例や失敗事例、なぜ自分で開業するよりもフランチャイズが良いのか、などをインターネットや書籍を使ってよく調べましょう。
もしかしたらあなたはフランチャイズよりも、個人での起業や代理店へ加盟する方が合っているかもしれません。将来後悔しないため、無駄な時間を使わないためにも最初のこのステップを大切にしましょう。
②自己診断をする
もしあなたが脱サラしてフランチャイズに加盟するとしたら、一番得たいものは何でしょうか?お金が欲しい、自由な時間を増やしたい、経営者としての経験を積みたい、社会のために何かしたい、など人によって異なった目的があることでしょう。
例えば「とりあえず稼げるフランチャイズが良い!」と考える人もいるかもしれません。しかし本当にそれだけで良いのでしょうか。もちろんそれが一番の目的の人には良い選択になるのでしょうが、一度冷静になって自分が開業する目的を改めて深堀りしてみましょう。もしかしたらその人にとってお金よりも、人からの感謝の気持ちを受け取ることや、家族と一緒に過ごす時間を増やすことの方が大切に思えてくるかもしれません。
また、いくら成功のパッケージを提供してもらえるとは言え、経営をするのはあなた自身です。今まで経験があり知識もある業界や得意な事、夢中になれる事ができる業界を選ぶことで、よりフランチャイズに加盟して成功する確率が上がります。
現代は多くの業界でフランチャイズが台頭しています。最初から各本部の情報を調べ始めると幅が広すぎて迷ってしまうので、最初にしっかりと自己分析をし、自分の気持ちを整理してから本格的に調べることを始めましょう。
③情報収集・本部選び
フランチャイズ本部の選び方を間違えるとその時点で起業・開業の成功率がガクッと下がってしまいます。現在はコンビニや飲食業の他にもマッサージ店、学習塾、ハウスクリーニング、車の修理、美容院などジャンルは多岐に渡ります。②で紹介した自己分析を踏まえ、じっくりと情報収集をし、しっかりと自分に合った本部を選びましょう。
また、社会の流れの中でその業種自体は伸びるのか、そのフランチャイズはすでに安定しているのか、経営者の自覚を持って広い視野で比較検討していきましょう。
情報収集をして気になるフランチャイズ本部が見つかったら実際に担当者に会いに行きましょう。その時には自分で調べただけではわからなかったことを質問し、全ての疑問を解消します。また本部を訪問することで、そのフランチャイズの雰囲気や担当者の対応の丁寧さがわかるので、話を聞くだけではなく色々な方向にアンテナを張っておくことが大切です。複数のフランチャイズ本部を訪問し、比較することでそれぞれの本部の良いところ、悪いところも見えてきます。
④審査
加盟するフランチャイズを決定したら、本部の審査を受けることになります。いくら本部が加盟店を増やしたいからと言っても審査なしに誰にでも看板を貸すということは基本的にはありません。
具体的には、履歴書や健康診断書、納税証明書などから、経営者としてやっていけるのか、人格に問題はないか、健康状態はどうか、資金の準備はできるのかといった点を焦点にして審査が行われます。
フランチャイズ本部によっては、信用情報や前職の離職時に訴訟問題がなかったかなどの調査を行うところもあるようです。開業資金で融資を受ける人に関してはその審査もパスしなければなりませんが、融資を受ける時に必要な事業計画書などの作成をサポートしてくれる本部もあります。また、フランチャイズでは本部と加盟店との信頼関係が重要なため、面談で人格に問題が無いかも大切な判断基準となります。
文字に起こすと難しそうに感じますが、それらの条件さえ満たせば審査に合格できるでしょう。
⑤物件選び
フランチャイズ契約をする前に店舗物件を決定するフランチャイズ本部が多くなっています。加盟希望者が希望する立地もしくは物件に関してフランチャイズ本部は商圏や物件自体を調査し、他の加盟店の中で似たような条件の店舗を参考にして、立地評価や売上予測を出してくれます。
フランチャイズ本部は加盟店に成功してもらわないといけないので、その土地での開業を承諾するということは売上予測の条件は満たしていると考えることができます。しかし本部が統計やコンピューターを使った評価をしてくれるから安心、と任せきりにするのはよくありません。あくまでその土地で経営をしていくのは加盟希望者本人なのです。
自分でできる調査としては来ていただくお客様の視点に立ってその土地を観察することです。実際にお店を利用するのはお客様なのでその視点に立って行う調査は非常に重要です。その場合は商圏、動線、地点という観点を持ちましょう。商圏には店舗が成立するだけのマーケットボリュームがあるのか、商圏内の太い動線に沿っているか、物件自体の広さや周囲からの視認性は問題ないか、などになります。
またフランチャイズが拡大するときに起きてくるのがテリトリー問題です。そのフランチャイズが成功し始め、加盟店も本部も利益を上げられるようになってくると、加盟者及び新規での加盟希望者たちの間で陣取り合戦が始まるものです。うまくいっているフランチャイズでは必然ともいえるこの陣取り合戦ですが、テリトリーについては事前にきちんと確認をしておきましょう。
⑥FC契約
フランチャイズ本部と契約する時には改めて法定開示書面もじっくりと確認しましょう。これは中小小売業振興法で定められたもので、フランチャイズ本部は加盟希望者に対して契約の前に提示し、説明しなければならないものです。義務があるのは小売業と飲食業のみでサービス業については義務付けられてはいませんが、体制が整ったフランチャイズ本部では法定開示書類もしくはこれに準ずるものが準備されていることが多いです。
内容は会社名、住所、従業員数、株式に関することなど会社の基本的なところから、FC契約に関わる加盟金、保証金、訴訟の件数、経営の指導に関して、商品の販売条件、契約期間、ロイヤリティなどです。
また、JFA(一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会)はJFAの会員となっている会社が開示する情報として独自に開示自主基準を定めており、加盟希望者に説明・配布を働きかけるとともにJFAへの提出も義務付けているので参考にすると良いでしょう。
そして契約書ですが、こちらも熟読し気になる点は全て解決してから契約を交わしましょう。不安な場合には弁護士や税理士などの専門家に相談するという方法も有効です。特に注意する点は以下のようなものです。
・本部に支払うお金について
・契約の期間と終了時期
・違約条項(違約金や解約金についても)
・テリトリー
・競業禁止業務及び守秘義務
⑦店舗作り
建物の外装・内装の工事は基本的に自己負担となりますが、店舗の設計はイメージや仕様を統一するために一般的にフランチャイズ本部側が実施します。施工に関しては本部の指定業者が実施するか、本部が地元の業者に依頼するかのどちらかとなることが多いです。
⑧従業員の募集・採用
基本的には人材募集や採用はオーナーの仕事ですが、求人から育成までサポートをしてくれるフランチャイズ本部もあります。人手不足の課題を抱える企業も多いので、求人から育成までサポートをしてくれるというのは有難いものです。本部のサポートが無い場合は、時間に余裕を持って以下のような流れで計画的に採用を進めましょう。
1.採用人数を決定する
2.採用基準を作成する
3.勤務条件(仕事の内容・給料・勤務時間・休日など)を決定する
4.採用の募集を行う
5.書類選考・面接を実施
6.採用決定・研修
(出典:JFAフランチャイズガイド)
⑨研修
開業前にはフランチャイズ本部が実施する研修を受けることになります。期間は数日から数週間、数か月と本部により様々です。ここで理念や経営に関する知識、オーナーとしての考え方などを習得する座学や、オペレーション、商品知識、機材の扱い方や接客などを学ぶ店舗研修があります。
またフランチャイズ本部によってはオーナーだけでなく、従業員の教育までサポートをしてくれる場合や開業後も定期的にオーナーや従業員のスキルアップを図るための研修がある場合などもあります。特に業界未経験の場合には加盟する前に研修内容も確認しましょう。
⑩開業前準備
店舗の施工が完了すると店舗が引き渡され、以下のような準備が必要となります。
・商品や食材などの発注及び納品
・什器や備品等の発注及び納品
・商品の陳列や備品の配備など
・開業前や開業時の広告や宣伝計画の準備
・実際の店舗や備品を使った従業員への教育
など
各フランチャイズによってどこまでサポートをしてくれるのか、またその流れは様々なので事前に担当者としっかり打ち合わせをしておきましょう。この時期は開業に向けてのラストスパートで非常に忙しい時期となります。
⑪開業
ついに開業です!
宣伝や口コミによって、開業時には多くのお客様が来店することも少なくありません。引き続きフランチャイズ本部と連携して自分の理想のお店を目指しましょう。
まとめ
今回はフランチャイズに加盟し、開業するまでの一連の流れを見てきました。もちろんフランチャイズ本部によって多少の違いはありますが、今回紹介してきたような流れに沿って開業まで進むことが多くなっています。
一般的にフランチャイズに加盟するまでの準備期間は1年前からスタートするのが良いと言われています。今回ご紹介した開業までの流れを頭に入れてたうえで、実現可能な計画を立て、開業を成功させましょう!
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