フランチャイズ契約は本部と加盟者という別々の事業者同士が締結するものです。フランチャイズ契約を結ぶということは１つの理念のもと、本部と加盟者が協力してフランチャイズを盛り上げていくということですが、実際には双方は独立した事業者同士という関係性でもあります。

フランチャイズという契約の形態からよく発生するトラブルは以下のようなものです。

・加盟金を払ったのに実際に開店できず、加盟金の返金もない

・予想もしていなかった違約金や損害賠償が発生した

・契約の前に提示された収益予測に遠く及ばない

・ロイヤリティの割にサポートが充実していない

・同じ商圏内に同一フランチャイズの加盟店が開店する

・契約が終わった後に同業で開業ができない

もちろんトラブルが起きない、そして起こさないことが一番ですが、もしトラブルが起きてしまった時に大切なのは早い段階で手を打つことです。そんな時に相談できる相手がいるというのは経営者にとって心強いものです。どのような相談先があるのかを事前に把握し、万が一のトラブルに備えましょう！

①JFAの相談センター

一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会（JFA）が開設している相談センター。JFAは経済産業省が認可した日本で唯一のフランチャイザー（本部）などによって設立された公的組織です。

ここはフランチャイズ・ビジネス専門のコンサルタントやフランチャイズ・システムに精通した弁護士が相談員を務めているのですが、なんと無料で相談をすることができるという非常に心強い相談先です。さらに協会の会員でなくても相談可能なので、トラブルに遭遇した時には最初に相談してみると良いでしょう。

フランチャイズ相談センター

②公的機関

以下のような公的機関にも相談することが可能です。

・近隣の商工会議所や商工会

地域ごとの商工業者によって組織された団体で、各地域の中小規模事業者に対して経営や取引などに関する相談や指導を行っている団体です。相談や指導は無料です。

日本商工会議所

・中小企業庁（もしくは経済産業局）

中小企業庁は経済産業省の外局として置かれている行政機関で、中小企業の育成や発展をはかるための基本方策を作成、中小企業に関する法律の施行などを行っています。

中小企業庁では

中小企業施策等に関する情報提供のワンストップサービスの窓口となるとともに、相談、民間の専門家派遣等の支援事業

（出典：中小企業庁）

を実施しています。

中小企業庁 相談・情報提供

また、中小企業庁のホームページからも①のJFA相談センターへのリンクが設置されています。

・公正取引委員会

独占禁止法を運用するために設置された機関で、フランチャイズ・ビジネスにとっても関係の深い重要な組織になります。独占禁止法や下請け法に関する相談を電話や来庁により受け付けています。

公正取引委員会 相談・届出・申告の窓口

③弁護士

弁護士の力を借りる方法は以下の2つがあります。

・弁護士事務所に相談する

現在は「フランチャイズ　弁護士」などのキーワードで検索すると、フランチャイズに特化している、力を入れている法律事務所をたくさん見つけることができます。基本的に有料になると思いますが、その分親身にこちらの立場に立って問題解決に臨んでくれます。トラブルだけでなく、契約書の内容確認や訴訟に関しても頼りになる相談相手です。

弁護士法人みずき　

ベリーベスト法律事務所

・弁護士ドットコムを活用する

弁護士ドットコムは日本最大級の弁護士検索ポータルサイトで、オンライン法律相談の他、弁護士検索や一括見積といったサービスを提供しています。そこで「フランチャイズ」で検索をすると、フランチャイズのトラブルに関する600件以上がヒットし、質問と回答を見ることがきます。キーワードから過去事例を探す時、自分が遭遇しているトラブルに強い弁護士を探す時などに活用しましょう。

弁護士ドットコム 「フランチャイズ」の法律相談

今回紹介したフランチャイズ関係で困ったときの相談先一覧です。

フランチャイズへの加盟や開業に関するトラブルに遭遇した時の相談先について見てきました。実際にフランチャイズで発生するトラブルの大半は、契約前の契約書などに関しての説明や理解の不足が原因です。フランチャイズ契約をする前に契約書の内容を精査して疑問を解消することはもちろん、加盟後もトラブルが発生しないように本部とのコミュニケーションをしっかり取ることを意識しましょう。万が一トラブルに遭遇したらすぐにアクションを起こすことが重要です。

プロがズバッと伝授。フランチャイズ加盟を成功に導く知識
presented by みんコレ！起業・独立・開業なび