契約前にフランチャイズ本部へ質問すべき15のこと~保存版~
JFA(日本フランチャイズチェーン協会)の統計によると日本のフランチャイズのチェーン数は1300を超えています。フランチャイズに加盟をして起業する時には、この中で加盟店を募集している本部を探して比較検討していくことになります。
そんな数多くの選択肢の中から将来性があり、さらに自分の希望にマッチするフランチャイズを選ぶというのは、起業の最初の段階であるにも関わらずその起業の成功を左右する重要な段階と言えます。今回は実際に契約前にフランチャイズ本部の担当者にしておくべき質問をまとめました。そのフランチャイズの本質に迫る質問を集めましたので、説明会や本部訪問に行く前にはぜひ一読しておきましょう!
(自分にピッタリなフランチャイズ選びの記事はこちら)
契約前にこれだけは欠かせない質問15選
フランチャイズ契約を結ぶ前に本部に質問するべきことを
①理念について
②優位性・競争力について
③各種データについて
④契約内容について
⑤サポートの充実について
の5つのジャンルに分類して見ていきます。
①理念について
Q1.経営理念は?
フランチャイズシステムは資本関係のない事業者同士である本部と加盟店が、同一理念のもと目標の達成を目指す理念共同体と言えます。本部が掲げる理念に各オーナーが共感して集った集団というフランチャイズの性質上、理念に共感できるか、そしてそれが実際に本部の社内や加盟店に浸透しているか、といった点は非常に重要です。もちろん資料に記載はあるかもしれませんが、それだけを見て納得するのは不十分です。
せっかく直接本部の担当者と話をする機会があるのなら、直接この質問をぶつけてみてみましょう。もし本部のスタッフがこの企業理念を十分に話せなかったとしたらそこに加盟している各加盟店の方ではどうでしょうか?加盟店にこの理念が浸透していないと、フランチャイズとしては致命的な軸のブレに繋がりますし、各加盟店ごとのサービスのクオリティや方向性にも影響が出てきます。
また、将来的に自分もそのフランチャイズの仲間として起業することを検討しているのですから、自分自身がその企業理念に共感できるかどうかも非常に重要です。同じ志を持った仲間たちとこのフランチャイズを成功させていくんだ!、という気持ちも仕事のやりがいに繋がるのではないでしょうか。
②優位性・競争力について
Q2.当該マーケットの現状と今後の展望は?
Q3.競合他社と比較した御社の強みは何?
Q4.商品の開発や宣伝などの競争力の強化についての取り組みは?
顧客のニーズは信じられないスピードで変化するものです。たとえフランチャイズ展開を始めた時に爆発的なヒット商品を保持し、話題性により売上が上がったとしてもそれが長く続く保証はどこにもありません。また、本部が自分たちの参入しているマーケットの現状をしっかりと把握できていなければ今後の戦略を的確に立てることは難しくなります。
そんな中でフランチャイズチェーンとして競合に負けない競争力を維持するためには、常に顧客のニーズを察知、もしくは先読みして既存商品をリニューアルしたり、新しい商品の開発が必要となってきます。またテレビや電車などで見かける広告もチェーン全体としての販促効果を高めるためには非常に重要な要素です。
そのフランチャイズが現在持つ他社にはない強みや競争力維持のためにどのような取り組みをしているのかをじっくりと聞いてみましょう。さらに深く知りたい場合は今後の事業展開についてや競合の参入障壁などについて聞いてみても良いかもしれません。
③各種データについて
Q5.収益モデルや初期費用回収期間の算出方法(根拠)は?
Q6.直営店と加盟店の実績データの内容は?(差が大きい場合はその理由も聞きたい)
Q7.途中解約の件数とその理由は?
Q8.過去の訴訟の内容はどんなもの?
数値関係についてはうまくいく確率や収益に影響してくるところなので自然と興味が湧いてくるところだと思います。例に挙げたように少し踏み込んで聞いてみるとその数値が意味するところや、その背景が見えてくるかもしれません。
これらのデータはなんらかの理由により開示できないものもあるかもしれませんが、基本的にフランチャイズの小売業と外食業については加盟希望者に対し法定開示書面を提示する義務がありますし、JFA(一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会)が独自に定める開示自主基準などもあります。本部訪問する前に得られるデータはしっかりと確認して予習しておきましょう。
収益モデルについてはひどい場合は八割どころか、その半分に届かないこともそこまで珍しいことではないようです。もしかしたら力を入れている直営店の数値や、一番うまくいっている加盟店の数値かもしれません。しっかりと出所を確認しましょう。訴訟の件数については法定開示書面やJFAの開示自主基準にも記載があるので、そこが0ではない場合は理由を聞いてみましょう。
④契約内容について
Q9.開業に必要な資金はどれくらい?
Q10.契約期間中の解約についてはどのようなルールがある?
Q11.テリトリーや競業避止義務の詳細は?
Q12.加盟店側の裁量はどこまで認められる?
基本的にこれらの質問の答えは契約書に書かれているものですが、大切なことなので直接本部の担当者から説明を受けるに越したことはありません。契約書に関しては事前に弁護士に見てもらうと安心です。フランチャイズだから安心、と思うのではなく起業家という意識を持って準備を進めていきましょう。
開業するときに必要なお金は加盟金や保証金の他にも様々な必要な経費が入ってきます。(詳しくはこちらをどうぞ)。それらも込みで実際にいくらかかるものなのかを契約前にズバリ確認しておきましょう。店舗の内外装工事に関しては指定業者がいるのか、仕入れについては本部の指定があるのかなども聞いてみると良いかもしれません。
契約期間はフランチャイズ本部によって異なりますが、その期間中に解約する場合には違約金が必要となります。起業後に実際に事業がうまくいかなかったとしてもこの違約金が重くのしかかり、先が見えない事業を続けざるをえなくなるという可能性もありますので、契約書の中でも特に注意して読む必要がある項目と言えます。
他にもフランチャイズ契約では加盟者がしっかりと理解しておかなければならない項目がたくさんあります。その例がテリトリーや競合避止義務なるものです。これらの説明は割愛しますが、ここを理解しておかないと思いがけず売上の減少に直面したり、フランチャイズ契約が切れた後の仕事についても影響してくるものです。また、どこまで加盟店の裁量が効くのかについても確認しておくと良いでしょう。
⑤サポートの充実について
Q13.資金調達のサポートはしてくれる?
Q14.ロイヤリティの対価として具体的に得られるメリットは?
Q15.開業前後の研修やその後のSVのサポートなどの詳細は?
加盟金やロイヤリティはフランチャイズ本部に対してパッケージを使用することの対価として支払うお金です。そのパッケージには本部からの継続的なサポートや指導も含まれているものです。まずはしっかりとサポートの内容などを把握することが大切ですが、得られる対価と金額が適切かを判断するためには複数の本部を比較してみると良いかもしれません。サポート内容を聞いてみると自分がこのフランチャイズで起業をするにあたっての具体的なイメージがしやすくなってきます。
また、広告販促費やシステム使用料のようにロイヤリティとは別に別途で毎月支払うお金があるパターンもあるので併せて確認しておきましょう。
起業するときの初期費用の資金集めはフランチャイズの加盟希望者にとって最初の難関です。資金計画書作りをサポートしてくれたり、融資の窓口を紹介してくれたりと資金調達を手伝ってくれる本部もあるので契約の前にどこまで手伝ってくれるのかを聞いておくと安心です。
まとめ
今回ご紹介してきたような疑問を解消することはフランチャイズで起業をするときの成功率を上げるとともに、自分自身が納得し自信を持って加盟するうえで非常に重要です。
また、1つの本部だけを訪問して決めるよりも複数の本部を訪れてみてパッケージ内容や本部の対応の違いを比較してみるとそれぞれの良いところとそうでないところが見えてきやすくなるのでおすすめです。
まず起業の初めの一歩として、気になるフランチャイズを見つけて資料請求をしてみましょう。
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