ニッチ戦略とは・意味
ニッチ戦略
カテゴリ:起業・独立・開業・経営戦略
ニッチ戦略とは、市場の中の一部の隙間(ニッチ)を狙い、特定の顧客やニーズに対して商品やサービスを提供し、他社と異なる領域を見出すことによって、事業の優位性を獲得することで先行者利益を得て独占的に市場シェアを獲得していく戦略のことです。
ニッチ戦略を採用する理由は、大企業が参入している既存の製品やサービスが存在する市場に、同じような製品やサービスを投入しても、価格面や生産量、流通、コスト等において、新規参入する企業は大企業やシェアの高い企業に太刀打ちすることが困難なことが多いからです。このように新規参入企業は値下げ競争や大量の生産量を求められても対応することが厳しいことが想定されます。その厳しい競争を避けるためにも、既存の製品やサービスが存在しない分野で、高利益率で高収益を上げていく方が理にかなっていると言えます。
ニッチ戦略のメリットとして次のようなことが挙げられます。、
①前述のとおり競合製品やサービスが存在しないために、高い価格を設定することで、高利益率かつ高収益を上げることが可能となる。
②競合製品やサービスが存在しない=代替品が存在しないことで、市場において独占できる可能性がある(先行者利益)
③その分野の先駆者となれることで、メデイア等に取り上げられることも想定され、取引先の増加に繋げることができる。
④世の中に存在しない分野のため、新たなニーズの掘り起こしや創出が可能となる。例えば、自社の製品やサービスによって新たな価値が世の中にもたらされることで、異業種の他社製品やサービスと組み合わさり、さらに世の中をより良くすることができるなどを可能とする。
起業する際においてもニッチ戦略を採用することは非常に重要です。
市場に存在しない分野や大企業・シェアの高い企業が入り込んでいない分野で、先駆者になることが可能となれば、取引先の確保や増加により、資金面においても事業をスムーズに展開していくことが可能です。
反対に、ニッチ戦略のデメリットとして、以下のものがあげられます。
①市場自体が狭いため、収益化できるだけの規模に市場が成長しない可能性がある。
②これまでにない特異な製品やサービスを提供することになるため、消費者に受け入れられない可能性がある。
③その製品やサービスが時代の流れと共に陳腐化してしまう可能性や世の中の風潮によりその市場が縮小したり無くなってしまう恐れがある。例えば、現在はガソリン車が主流だが、今後電気自動車の普及により、電気自動車が主流になり、ガソリン車の市場が縮小していくなど。
④限定的なニッチ市場ではあるが、その製品やサービスが普及していくと、他企業が参入してくる可能性があり、高収益を継続的に確保していくことが困難になる可能性がある。
ニッチ戦略と同じような用語として、「差別化戦略」があります。
差別化戦略とは、「既存の製品やサービスが存在」して、その製品やサービスと異なる特徴を目立たせる、異なる手法で販売することです。それに対してニッチ戦略は、そもそも同じような「製品やサービスが存在しない」市場(ニッチ=隙間)を狙う戦略のことです。要するに、市場に同じような製品・サービスが存在するかしないかという違いがあります。
「市場に存在している=差別化戦略」、「市場に存在していない=ニッチ戦略」となります。上記のデメリットに記載したように他企業が参入してくると、ニッチ戦略から差別化戦略へと変化していきます。
ニッチ戦略は、既存企業がこれから検討すべき戦略ならびに、起業する上で検討していくべき戦略の一つに挙げられる戦略となります。
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