現代の宅食事情
新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに身近な存在になった宅食ですが、実際にはどの程度利用されているのでしょうか。開業前にはリアルな事情を把握しておきたいところです。ここでは宅配弁当をはじめとする宅食サービス事情を紹介します。
4人に1人が宅配弁当の利用経験あり
ラクタさん編集部が20代~80代の男女1,092人を対象に行った調査によると、4人に1人が「宅配弁当を利用したことがある」と回答しています。
特に20代は半数近くが「宅配弁当サービスの利用経験あり」と回答していて、若年層になるほど利用のハードルが低いことがわかっています。全体的に見ればまだまだ利用者数が多いとは言えませんが、利用者の7割以上はサービス内容に満足しているため、今後の需要の高まりを期待できそうです。
参照:https://mag.app-liv.jp/rakuta/archive/137716/
知名度の高いサービスほど人気の傾向
数ある宅配弁当サービスのなかでも、どのようなサービスが人気なのでしょうか。食の窓口が20歳〜60歳以上の男女789人を対象に実施した「宅食弁当の利用についての意識に関するアンケート調査」からは、「生協」や「ワタミの宅食」といった有名な業者の利用率が高いことがわかります。
「宅食・食材宅配サービスを利用するときに重視したポイント」を見ると「価格」や「味」だけではなく、「メニュー数」や「品質管理や衛生面での安心感」、「会社やブランドの知名度」を重視する声が複数挙がっています。安定した品質を約束してくれる大手や有名なフランチャイズチェーンに加盟すると、事業を軌道に乗せやすいかもしれません。
参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000067.000023552.html
今後の狙い目は高齢者と共働き世帯
宅配弁当は20代の単身者からのニーズが高いのが現状ですが、今後は幅広い年齢層からの需要拡大を期待できます。
女性の社会進出や少子高齢化が進む今の時代では、共働きや加齢を理由に、自ら調理するのではなく、宅配サービスを利用する人が増加する可能性が十分に考えられます。これまでは特別な日にオーダーするイメージがあった宅食ですが、日常的に頼める宅配弁当のサービスが充実化すれば、興味を持つ人も増えてくるでしょう。
宅配弁当を開業するステップ
宅配弁当サービスの現状を理解したところで、ここからは実際に宅配弁当サービスを開業する際のステップを段階別に4つご紹介します。
ステップ1:店舗の決定
まずは弁当作りの拠点となる店舗を探して決定していきます。「宅配」という特性上、立地にこだわりすぎる必要はありませんが、住宅街が近い場所であれば短時間での宅配が実現され、人気も出やすくなるでしょう。
他にも厨房設備の充実度や包装できる場所の有無、駐車場の広さなども店舗を決めるうえでの重要な要素です。
ステップ2:資金の調達
宅配弁当に関わらず、事業を始めるにあたっては初期投資が必要です。宅配弁当事業の開業にあたって必要な初期費用と目安金額は以下の通りです。
・物件取得費用…50~150万円
・内装工事費…100~200万円
・設備工事費…50~150万円
・車両購入費…0~100万円
・広告宣伝費…10~30万円
合計…200~600万円
初期費用に加えて、営業が始まれば当然のことながら人件費や資材費、賃貸料や車両関連費などのランニングコストが発生します。十分な売上があればこれらをペイできますが、認知が広がるまでは赤字になる可能性も否定できません。そのため、開業資金には余裕を持たせておいたほうが良いでしょう。
宅食事業は一般的な飲食店とは違って飲食スペースや家具などが不要なため、初期費用は抑えやすいとされています。居抜き物件を活用したり、自家用車を使ったりすると、さらに費用を抑えられるでしょう。
フランチャイズに加盟する場合にも初期費用は必要ですが、融資してくれるチェーンや加盟金・保証金が無料の本部もあり、開業のハードルはかなり低くなります。本当に開業に必要なものだけを用意してもらえるため、準備を効率的に進められるでしょう。
ステップ3:資格の取得と各種手続き
食品関連の事業に携わる場合には、事前に保健所で食品衛生責任者の講習を受ける必要があります。また、宅配事業である以上、ドライバーは運転免許必須です。従業員を雇い入れるのであれば免許の有無を必ず確認し、営業許可の申請も忘れずに行いましょう。
ステップ4:従業員の採用・教育
調理スタッフやドライバー、梱包担当者など、事業の規模次第では従業員を雇用する必要があります。面接時には免許の有無や経験年数を確認することをおすすめします。
採用した人材を教育する際には、調理や梱包の手順といった基本的な業務はもちろん、接客マナーやクレーム時の対応なども含めるようにしましょう。どんなに品質が良くても、接客態度の悪いサービスにお客様はつきません。
宅配弁当を開業するうえでの注意点
宅配弁当事業は将来性があり、お客様に食の楽しみを届けられる魅力的なサービスですが、ビジネスである以上、少なからずリスクも存在します。具体的な事業計画を練る前にいくつかの注意点を押さえておきましょう。
食の安全と品質を担保しなければならない
コロナ禍以降、宅食サービスやテイクアウトを提供している飲食店は増加傾向にあります。他にもコンビニや24時間営業しているスーパーなど、競争相手は決して少なくありません。そのなかでお客様から選んでいただくためには、高い品質を追求し、他店にはない魅力を打ち出していく必要があります。
それと同時に食の安全を守らなければなりません。食中毒や異物混入などの事件を絶対に起こさないように、従業員教育や食材の管理を徹底しましょう。
広告活動を行わなければならない
どんなに弁当の質が良かったとしても、認知度が低ければお客様は来店しません。個人店であればなおさらです。認知度を高めるための広告活動は、店舗をオープンする前から開始することをおすすめします。
しかし、ひと口に広告活動と言っても、ビラ・チラシの配布や情報誌への掲載、SNSと、方法は多様化しています。魅力的なデザインやキャッチコピーも求められるため、プロの広告業者に依頼をしたり、広告活動を代行してくれるフランチャイズに加盟したりするのもひとつの方法です。
価格設定を適切に行わなければならない
物価高騰が続く昨今にあって、お客様の財布のひもも固くなってきています。食の窓口の調査によると、「宅食・食材宅配サービスを利用するときに重視するもの」のトップは「価格」。500円以下なら利用したいと考える人が、全体の半数以上を占めています。
利益を出しつつ、お客様に納得してもらえる価格の設定ができるかどうかは、経営者のセンスが問われるところです。
参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000067.000023552.html
みんコレ!おすすめの宅配弁当フランチャイズ2選
宅配弁当事業には魅力や将来性がありますが、リスクが存在することも事実です。リスクを最小限に抑えて事業を軌道に乗せるためには、大手フランチャイズへの加盟がおすすめです。ここからは数ある業者のなかからみんコレ!がおすすめしたい2つのフランチャイズチェーンを紹介します。
まごころ弁当
まごころ弁当は、高齢者向け配食ビジネスを全国に展開しています。自社工場を保有していて、管理栄養士が監修したヘルシーなメニューは高齢者から人気です。オーナーは工場から直送された調理済みの食材を盛り付け、バイクや車で配達するだけなので、とても簡単。調理の技術や知識がなくても始められます。加盟金や保証金、研修費用は不要で、本部のサポートやフォローを受けられるところも強みです。
- 店舗数
- 970(2023年7月現在)
- 開業費用
- 加盟金:0円
保証金:0円
- 募集エリア
- 全国
- 収益モデル
- 想定店舗坪数 6坪
売上:3,450,000円
月会費:30,000円
営業利益:1,213,000円
人件費:630,000円
諸経費・雑費:266,000円
はぐくみ弁当plus
2016年にサービスを開始し、2023年には全国で232社が加盟するなど、驚異的な成長スピードを誇るはぐくみ弁当plus。企業向け弁当に加えて高齢者向け弁当を展開していて、未経験者でも継続できるように、店舗設計から営業までのフォロー体制が充実しています。障がい者を雇用する就労継続支援事業に携わっていて、安定した収益を確保しつつ障がい者の方に仕事を提供することが可能です。
- 店舗数
- 143(2023年4月現在)
- 開業費用
- 加盟金:22,000,000円
物件取得費:2,750,000円
送迎用車両:440,000円
調理備品・什器類:1,848,000円
工事費:1,100,000円
法人登記:330,000円
採用広告費:330,000円
- 募集エリア
- 全国
- 収益モデル
- 想定店舗坪数 25坪
売上:7,590,000円
ロイヤリティ:220,000円
営業利益:2,437,595円
人件費:3,516,250円
諸経費:459,525円
変動継続コンサルティング費用:205,150円