マッサージ・リラクゼーションサロンのトレンド
具体的に開業を検討する前に、まずはリラクゼーション業界の動向をチェックしておきましょう。
多様化する利用ニーズ
株式会社リクルートの美容に関する調査研究機関「ホットペッパービューティーアカデミー」が実施した「美容センサス2024年上期≪リラクゼーションサロン編≫」によると、リラクゼーションサロンの市場規模は、3674億円に達し、前年比で9.6%増加しました。その内訳として、整体、もみほぐし、足つぼなどの「服を着たまま受ける施術」が2564億円(前年比6.7%増)、アロマトリートメント、リンパドレナージュなどの「服を脱いで受ける施術」が1110億円(前年比16.9%増)と発表されています。
リラクゼーションサロン市場の拡大は、新型コロナウイルスに関する規制が緩和され、施術に対する心理的抵抗が軽減されたことに加え、女性だけでなく男性向けメニューが充実してきたことが要因と考えられます。これにより、今後もさらなる需要の拡大が期待されています。
専門店が人気
利用客は「悩みを解決できるか」を基準に訪れる店舗を選ぶ傾向があるため、フットマッサージ、スパトリートメント、タイ古式マッサージなど、特徴を持つ店舗が人気を集めています。
さらに最近では、手によるマッサージだけでなく、酸素バー、ゲルマニウム温泉、ヘッドスパ、スポーツストレッチを主力とする店舗も増えています。
低価格化が進んでいる
マッサージやリラクゼーションサロンは新規参入のハードルが低いため、競合が多く、価格競争が激化しています。近年では、「60分2,980円」でサービスを提供するフランチャイズ店も増えています。そのため、従来の相場と言われていた「60分6,000円」の価格設定で事業を継続するには、快適な空間や専門的な知識を提供するなど、利用客が満足できる施術以外のサービスをすることが鍵となっています。
参考:
リラクゼーションサロンの市場規模は3674億円で、2年連続拡大。コロナ禍で大きく落ち込んだ【脱衣の施術】が復調の傾向 | 株式会社リクルートのプレスリリース
リラクゼーションサロン | 業種別開業ガイド | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
マッサージ・リラクゼーションサロンをフランチャイズで開業するメリット
価格競争が激化しているリラクゼーション業界での開業には、フランチャイズを活用することをおすすめします。ここでは、その理由を3つご紹介します。
未経験でも始めやすい
あん摩マッサージ指圧師や鍼灸師(はり師・きゅう師)などは国家資格が必要ですが、リラクゼーションを目的とした施術を行う場合、特別な資格は必要ありません。ただし、技術力が乏しいとリピーターを獲得するのは難しいため、整体師やアロマセラピストなどの認定資格を取得し、信頼性を高めることがおすすめです。
フランチャイズ加盟店では、研修プログラムや採用・集客支援など、充実したサポートを本部から受けられるケースが多くあります。本部を選ぶ際には、これらの支援内容がしっかり整備されている加盟店を選ぶことで、未経験でも安心して開業できます。
競合他社と差別化を図りやすい
フランチャイズ加盟店は、独自のブランディングやビジネスモデルを持っています。また、本部が競合他社の商品や価格を分析・リサーチしているため、フランチャイズに加盟することでそのブランド名やノウハウを活用し、経営に専念することが可能です。
この仕組みにより、他店との差別化が図りやすくなります。
リスクを軽減できる
フランチャイズ加盟店は、確立されたモデルに基づいて経営を行います。本部から提供される経営ノウハウやマーケティング方法を活用することで、開業時には立地選びや集客方法についても的確なアドバイスを受けられます。その結果、短期間で廃業に追い込まれるリスクを軽減し、安定したスタートを切ることができます。
参考:
マッサージ店を開業するには?必要な届け出や開業資金について解説 | 起業・創業・資金調達の創業手帳
リラクゼーションのフランチャイズ経営は儲かる?【特徴や費用について解説】 – サロンナレッジ
マッサージ・リラクゼーションサロンをフランチャイズで開業するデメリット
前章では、フランチャイズで開業するメリットをご紹介しましたが、その一方でデメリットも存在します。
加盟料とロイヤリティが発生する
フランチャイズに加盟する際には、「加盟金」と売上の一部を支払う「ロイヤリティ」を本部に支払う必要があります。この「ロイヤリティ」は、商標の使用や営業指導に対する費用ですが、それを負担と感じる方もいるかもしれません。
風評被害を受ける可能性がある
従業員による不適切な行為がSNSで拡散され炎上する「バイトテロ」などの問題が発生した場合、たとえ自店舗での出来事でなくても、フランチャイズ全体のイメージが損なわれる可能性があります。その結果、集客に悪影響を及ぼすリスクがある点は注意が必要です。
自由度が低い
フランチャイズに加盟すると、店舗の内装や商品、価格設定などは本部の規定に従う必要があります。そのため、自分のアイデアを全面的に反映した店舗を作ることは難しいでしょう。
マッサージ・リラクゼーションサロンを開業する際の注意点
それでは次に、開業時の注意点を確認していきましょう。
市場調査を徹底する
まずは、ターゲット層の年代、性別、生活スタイルなどを明確にすることが重要です。さらに、競合他社の強みや商品、価格を詳しく分析し、差別化を図ることで、価格競争に巻き込まれることなく、サービスの付加価値を高めることができます。
ターゲット層に合ったエリアを選ぶ
集客は立地条件による影響が大きいため、慎重にエリアを選ぶ必要があります。例えば、リラクゼーション目的の施術を提供する場合は、サラリーマンやOLなど比較的若い層が多い駅前やオフィス街が適しています。一方、住宅街に店舗を構える場合は、子供から高齢者まで幅広い世代の利用が期待できます。
初期費用と運転資金を確保する
提供する施術内容によって、必要な資金は大きく異なります。マッサージやトリートメント、セラピーなどの方向性を明確にした上で、開業に必要な初期費用や運転資金をしっかり確保しておきましょう。
参考:
マッサージ店を開業するには何が必要? 独立するときに注意すべきこととは | モアリジョブ
マッサージ店を開業するには?必要な資格と資金、助成金について解説 | マネーフォワード クラウド会社設立
開業に必要な資金
では、マッサージ・リラクゼーションサロンの開業にかかる費用はどのくらいなのでしょうか。具体的な金額を見ていきましょう。費用は出店エリアや条件によって大きく変動する可能性がありますが、一般的な費用として参考にしてください。
賃貸物件で開業する場合
フランチャイズで開業する場合と自己開業の場合では、必要な資金に違いがあります。
<フランチャイズで開業する場合>
加盟金:約300万円
保証金・研修費:約100万円
物件取得費・施工費:約500万円
合計:約900~1,000万円
<自己開業する場合>
物件取得費:約100万円
設備費:約20万円
広告宣伝費:約30万円
運転資金:約150万円
合計:約300万円
自宅で開業する場合
自宅を活用してアットホームな雰囲気のサロンを開業する場合、家賃が不要なため運転資金を抑えることが可能です。ただし、サロンとして非日常感を出すために、内装の改装がおすすめです。
改装費:約50万円
設備費:約10万円
広告宣伝費:約30万円
運転資金:約30万円
合計:約120万円
レンタルサロンで開業する場合
設備や家具が整っているレンタルサロンを利用する場合は、初期費用を抑えることができます。
広告宣伝費:約20万円
運転資金:約20万円
合計:約40万円
初期費用が安い点が魅力ですが、レンタルサロンは日時指定で借りる形式が多いため、ふらっと立ち寄る顧客を獲得しづらい点に注意が必要です。
出張型で開業する場合
出張型の開業も、店舗取得費用が不要なため、初期費用を抑えることができます。
設備費:約2万円 ※折りたたみ式施術ベッドなど
広告宣伝費:約20万円 ※ホームページ作成費など
運転資金:約20万円
合計:約40万円
ただし、店舗を持たないため、集客方法を工夫する必要があります。
参考:
リラクゼーションサロンを開業したい!準備するべき項目や費用まとめ|ヒューマンワーク
マッサージ店を開業するやり方|必要な資格・資金と届出書類について説明
みんコレ!おすすめのフランチャイズ2選
手軽な手もみ屋【もみかる】
「地域一番の激安店」を目指し、リピート率82.7%を誇る全身もみほぐしのお店です。
加盟者は全員、未経験からスタートしており、兼業や副業として運営しています。オーナーは、平日は30分、週末の空いた時間にお店に顔を出す形で経営に関わっています。
- 店舗数
- 全店75店(直営店19店、加盟店56店)(2018年6月時点)
- 開業費用
- 加盟金:3,300,000円
保証金:0円
- 募集エリア
- 全国
- 収益モデル
- 想定店舗坪数:25.00坪
売上:3,430,000円
ロイヤリティ:171,962円
営業利益:623,498円
必要経費:2,629,540円
「つぼくん」クイックとフットケアのお店
癒しを求める健康志向の向上、生活者意識の変化などで安定成長が見込まれるリラクゼーション業界。つぼくんでは、物件紹介/店舗デザイン/研修/人材採用育成をはじめ、和(やわらぎ)独自の充実支援があります。
- 店舗数
- 全店9店(直営店8店、加盟店1店)(2018年7月時点)
- 開業費用
- 加盟金:1,650,000円
物件契約:1,760,000円
内装設備:2,420,000円
研修費(3名分):825,000円
販促費:990,000円
- 募集エリア
- 全国