現在の美容業界が抱える課題
訪問理美容が注目を集める一方で、美容業界はさまざまな課題を抱えています。そのなかでも、ここからは倒産件数の増加と休眠美容師の存在の2つの課題に触れていきます。
2024年の美容院倒産数は過去最悪のペース
東京商工リサーチによると、2024年1月から4月までの美容室の累計倒産件数は過去最多の43件。この原因としては、ここ数年続いている円安に伴う美容資材の価格上昇や、人件費・光熱費の高騰のあおりを受けて、資金繰りが悪化したことが挙げられます。
また、人手不足や他店との競争激化も一因です。競合が多い美容院の値上げが続くと顧客の目もシビアになり、料金に見合った価値がないと判断されると、すぐに他店に乗り換えられる可能性があります。そうならないように、集客への注力や他事業の展開などを図り、他社との差別化が必要です。
参考:2024年1‐4月「美容室」倒産状況|株式会社東京商工リサーチ
休眠美容師の存在
美容師免許を取得していながらも、「家庭と仕事の両立が難しい」「加齢に伴って長時間の立ち仕事がキツくなってきた」「職場に若い美容師が増えていづらくなった」など、さまざまな理由で資格を活かせていない、いわゆる「休眠美容師」は、全国に約75万人も存在すると言われています。
その一方で、美容業界でも人手不足に悩む事業所が少なくありません。もし、人手不足に悩む美容室と、労働意欲のある休眠美容師のマッチングを図ることができれば、その美容事業は軌道に乗るかもしれません。
訪問理美容事業が持つ可能性
さまざまな課題を抱える美容業界のなかで、今注目を集めているのが訪問理美容サービスです。高齢や疾病などが理由で外出が困難な方や、家族の介護や育児に追われ、外出ができない方のもとに理美容師自身が出向いて施術を提供する訪問理美容は、なぜ今需要が高まっているのでしょうか。3つの理由を紹介します。
高齢者の増加に伴う需要の増加
株式会社リクルートが実施した「要支援者・要介護者の訪問理美容サービスの利用実態調査」によると、「直近1年以内に訪問理美容サービスを利用した」と回答した人の割合は28.0%。2年連続で増加しています。
今後高齢化社会が進むなかで要支援者や要介護者が増えるのはほぼ間違いなく、訪問理美容へのニーズの高まりも期待できるでしょう。
参考:要支援者・要介護者による「訪問理美容サービス」の利用実態調査|株式会社リクルート
休眠美容師も含めた人材活用
美容師の女性比率は半数以上と非常に高いものの、結婚・出産を経験し、拘束時間の長い美容室勤務から退く人が少なくありません。
しかし、復帰の意欲がある休眠美容師は約半数程度存在することが、株式会社リクルートライフスタイルの調査で判明しています。働く時間に制限がある美容師にとって、必要なときにだけ出勤できる訪問理美容は復帰しやすい事業であり、雇用側にとっても人手を確保しやすい事業と言えるのです。
参考:休眠美容師調査報告書|株式会社リクルートライフスタイル
補助金・助成金によるサポート
訪問理美容サービスの利用を推進している自治体の存在をご存じでしょうか。例えば、横浜市は65歳以上で要介護4以上に認定された方に対して、カット代1回2,000円で年最大6回のサービスを提供しています。
要介護対象者の支援サービスを実施している自治体は決して少なくなく、神奈川県では33市区町村中、14市区町村が訪問美容助成制度を設けています。助成制度が認知されることで、今後はさらにサービスが一般的になっていくでしょう。
訪問理美容を開業するときの課題5選
訪問理美容事業は追い風要因が多いように思えますが、一般的な美容室にはあまり見られない課題があることも事実です。特に押さえておきたい5つの課題について解説します。
開業資金は100万円以上かかることも
訪問理美容事業は実店舗を構える必要がないため、敷金・礼金や賃料はかかりませんが、営業車両やユニフォーム、材料・道具などを揃えるのにまとまった費用が必要です。移動シャンプー機などの高額な機材を揃えるのであれば、さらに開業資金がかさみ、100万円以上発生することもあるでしょう。
開業資金を抑えてシンプルな散髪サービスのみを提供したり、それとも機材を揃えて多様なサービスを展開したりと、いくつかの戦略が考えられます。
訪問できる対象が限られる
衛生面を保つためにも、理美容師は基本的に届出をしている店舗以外で、理美容サービスを提供することはできません。ただし、以下の5つは例外として訪問理美容サービスの提供が認められています。
要介護状態で来店が難しい方
育児や介護で来店が難しい方
山間部や離島などの居住者で来店が難しい方
ヘアメイクを依頼したい結婚式などのイベント参加者
舞台やテレビに出演する芸能人など
訪問理美容の開業を考える際、自治体によっては届出が必要になるため、管轄の保健所に確認してください。
理容師・美容師免許以外にも介護の知識が必要
要介護者にサービスを提供することが多い訪問理美容師には、美容師の知識はもちろん、介護の知識や技術も欠かせません。いちから知識を身につけるのであれば、介護の入門研修である「介護職員初任者研修」や、出張理美容を提供する理美容師に特化した「福祉理美容士」の養成講座がおすすめです。要点を押さえて必要な知識・技術を習得できます。
休眠美容師にも再教育が必要なことも
休眠美容師を訪問理美容サービスのスタッフとして活用できれば、事業者、休眠美容師、利用者の間に三方良しの関係を築けます。
しかし、ブランクが長かったり、訪問理美容の知識・技術が不足していたりする休眠美容師には、再教育が必須です。教育には時間も費用もかかりますが、顧客からの信頼を得るために、マニュアルや研修を設けて徹底的に行いましょう。
リピーターの獲得や営業活動は必須
店舗を構えていない訪問理美容サービスは、認知度が広がりにくいものです。まずは存在を知ってもらうために、広告やSNSを利用した宣伝活動や営業活動に最初は時間を割く必要があります。
介護福祉施設や結婚式場への挨拶回りから始めるなど、地道な営業活動に勤しむ事業者も少なくありません。
訪問理美容の開業にビーサポグループへの加盟がおすすめな理由
今後の需要を期待できる訪問理美容サービスですが、課題も多いため、開業するのであればフランチャイズチェーンに加盟するのが最もスムーズです。
なかでも、病院や施設、個人宅などに訪問して、ヘアカットやシャンプー、顔剃りといったサービスを提供するビーサポグループは知名度が高く、美容・理容師資格を所持している人はスタートしやすいと言えます。ここではビーサポグループの魅力を紹介します。
充実した研修プログラムが用意されている
理美容師の資格を持っていても、訪問理美容の知識・技術がある人はそう多くはないでしょう。そのような理美容師に対して、ビーサポグループはいちから学べる研修プログラムを用意しています。個別面談も行っていて、事業者としての懸念点を相談できるところが強みです。バックアップを受けながらオープンするのも夢ではないでしょう。
営業活動をサポートしてもらえる
営業経験のない理美容師が、いきなり介護施設などの営業回りをするのはハードルが高いものです。それもビーサポグループはフォロー体制を整えていて、営業の同行やマニュアルを使用した営業指南を行っています。挨拶回りを繰り返すなかで、次第に営業のコツが掴めるはずです。
全国展開していて信頼度が高い
ビーサポグループは全国に約700箇所、年間で約8万人もの方にサービスを提供しています。知名度の高さは、営業活動において大きなアドバンテージになるはずです。ヘアカットはもちろん、カラーやパーマ、顔剃りとメニューの幅も広く、高めの顧客単価を期待できるでしょう。
- 店舗数
- 全店13店(直営店2店、加盟店11店)(2024年6月時点)
- 開業費用
- 加盟金:1,210,000円
保証金:0円
- 募集エリア
- 全国
- 収益モデル
- 想定店舗坪数 15.00坪
売上:2,000,000円
ロイヤリティ:200,000円
営業利益:500,000円
人件費:1,000,000円
交通費:90,000円
施設費用、光熱費など:200,000円
衛生・消耗品:60,000円