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キッチンカーの移動カフェを開業するには?成功するコツを紹介

フードやドリンクの提供場所が固定されていないキッチンカーは、ニーズがあるところに自由に行って営業できる仕組みが人気です。新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに、飲食店のテイクアウトが注目されたこともあり、キッチンカーの移動カフェの開業を考えている方も多いのではないでしょうか。コロナ禍のピークが過ぎた2023年頃からは屋外イベントの開催も活発になってきて、今がキッチンカーを利用したビジネスのねらい目かもしれません。

自由度が高いキッチンカーでは、どのような飲食物を販売できるのでしょうか。開業・運営時の注意点についても気になるところです。

そこで今回はキッチンカーの移動カフェを開業するメリットやポイント、さらにおすすめのフランチャイズチェーンを紹介します。

キッチンカーの台数は10年で2倍以上に増加


東京新聞の調べによると、2011年からの10年間で東京都内のキッチンカーの数は倍増していて、現在は約4,600台ものキッチンカーが都内で営業していることがわかっています。お祭りやフェスなどのイベントでキッチンカーを見かける機会が増えたと感じている方も多いのではないでしょうか。

キッチンカーの増加を後押しした理由としては、会食が避けられていたコロナ禍を無視できません。現にGoogleトレンドの推移を見ると、コロナ禍が始まった2020年以降、キッチンカーの検索数は上昇傾向にあります。

しかし、実はコロナ禍以前からもキッチンカーが注目を集めていたことがグラフから読み取れます。キッチンカーによる移動販売にはどのようなメリットがあるのか、「キッチンカーの移動カフェの開業メリット」で説明します。

参照:「4608台」都内で増える、あのクルマの台数<深掘りこの数字>:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

人気メニューはスイーツが中心

商品のバリエーションが充実している点は、キッチンカーの魅力です。株式会社3Aが行った調査によると、クレープや唐揚げといった定番メニューを扱うキッチンカーが多く、人気の高さがうかがえます。

クレープ以外にもアイスクリームやジェラート、タピオカといったスイーツの順位が高い傾向にあり、移動カフェを展開している業者が少なくありません。大がかりな調理が必要なく、手軽に販売できるスイーツ系は、初めてキッチンカーを出す人にとってハードルが低いと言えます。

参照:【キッチンカー需要に関するアンケート調査結果】キッチンカー利用者はなんと9割!どんなキッチンカーが好まれるのか | 株式会社3Aのプレスリリース (prtimes.jp)

商品購入の決め手は「見た目」と「匂い」

株式会社橋本商会が行った「キッチンカーを利用する人の心理調査」では、キッチンカーで商品を購入する人の多くが「おいしそうな見た目」や「いい匂い」を購入理由に挙げています。個性的な商品が多いキッチンカーでは、いかに見た目や香りでインパクトを与えるかどうかが重要と言えるでしょう。

また「お腹が空いたから」を購入理由に挙げる人が多い点も見逃せません。売上を上げるためには、昼食時やおやつの時間に人が集まる場所を狙って出店するといった戦略が求められます。

参照:【300人に聞いた】屋台やキッチンカーにおける商品購入の決め手とは?購入のきっかけやお店選びの基準を調査! | 株式会社 橋本商会のプレスリリース (prtimes.jp)

キッチンカーの開業資金は?


賃料や保証金が必要となる実店舗とは違って、キッチンカービジネスの起業時に発生する費用は少々特殊です。ここからはキッチンカーの移動カフェを開業する際に必要な費用を説明します。

キッチンカーの車両代

軽バンや大型バンを所有していれば、それを改造してキッチンカーにすることが可能です。DIYで行った場合の相場は約50万円、専門業者にベースと内装を改造してもらう場合の相場は250~500万円と幅があります。

新車または中古車のキッチンカーを購入する際の相場は、軽タイプは200~400万円、普通車は300~400万円、特殊車両やバスを選ぶと1,000万円程度かかることも珍しくありません。

慎重派の方におすすめしたいのが、キッチンカーのリース。レンタルにすると1回あたり5~10万円程度発生しますが、リースであれば契約期間中どれだけ使っても月額8~10万円前後で済みます。

本格的なキッチンカービジネスを考えている方は、慎重に考えて決めましょう。

内装・設備代

キッチンカーに必要な設備としては、冷蔵庫・冷凍庫・シンク・作業台・調理用機器などが挙げられます。すでに備えている車両もありますが、新設したりこだわって交換したりすると、その分だけ費用がかかります。

また、壁や床、天井などを汚れにくい資材に交換する際や、外装を塗り替える際にも費用が発生します。こだわりの度合いによって費用は大きく変わってくるでしょう。

食材・消耗品代

提供するメニューの内容や販売量によって異なりますが、1ヶ月あたりにかかる相場は食材・消耗品ともに5~10万円程度です。

キッチンカーの移動カフェでは、料理を提供する際にお箸や容器など、使い捨ての資材が多数必要となります。消耗品代を節約するのであれば、商品を包む紙とスプーンだけで済むスイーツの提供がおすすめです。

保険代・駐車場代・ガソリン代

キッチンカーの利用頻度が高いほどガソリンや駐車場代がかさみます。極力抑えるためには、効率の良い回り方や駐車場代が発生しないエリアへの出店を考えましょう。万が一の事故を考慮して、保険には必ず加入するようにしてください。

キッチンカーの移動カフェの開業メリット


実店舗がある飲食店とは違い、キッチンカーの移動カフェにはどのようなメリットがあるのでしょうか。3つのポイントを紹介します。

ニーズに合わせて営業先を変えられる

イベントの開催時には、人が集まるところに直接行って商売できるフットワークの軽さは移動カフェならではのメリットです。ランチタイムにはオフィス街でお弁当を販売できます。ただお客様の来店を待つのではなく、こちらから積極的に動くことで、集客力を高められるでしょう。

人件費や家賃を抑えられる

キッチンカーは初期投資こそかかるものの、ランニングコストの大部分を占める家賃が発生しない点は大きなメリットといえます。定期的に支払わなければならない固定費がなくなることで、実店舗よりも出費を抑えた経営を実現できるでしょう。

また、キッチンカーは作業スペースが限られているため、多くの人手を要しません。オーナー一人で運営している移動式カフェも多く存在します。人件費を節約できるだけではなく、人間関係を気にせずに営業したいという方にはぴったりです。

業態変更をしやすい

仮に商品の売れ行きがよくなかったとしても、比較的簡単に商品を変更できる点はキッチンカーのメリットです。オフィス街ではお弁当を、学生が集まるエリアではスイーツをといった具合に、販売エリアのニーズに合わせてメニューを変えやすい点は魅力といえます。

キッチンカーの移動カフェの開業デメリット


メリットがある一方で、キッチンカーの移動カフェにはデメリットも存在します。両方を理解しておくことで、トラブルを未然に防ぐ策を考えられるでしょう。ここでは3つのデメリットについて解説します。

スペースが限定されてしまう

実店舗と比べると、キッチンカーは手狭でどうしても作業範囲が限定されてしまいます。ロスを極力出さずに効率の良い販売を行うためには、販売量を予想してから仕込みをしましょう。大量の仕込みが必要であれば、キッチンカーとは別に仕込み専用の厨房をレンタルする手もあります。

自治体に許可を取る必要がある

食品を取り扱う際には、営業許可が必要ですが、その許可は取得した保健所の管轄内においてのみ有効です。自治体をまたいで移動販売を行う際には、現地の自治体からも許可を取得する必要があります。

東京都内であればひとつの営業許可書で通用しますが、市町村ごとに許可が必要な自治体もありますので、必ず事前に確認してください。

駐車場代・ガソリン代がかかる

キッチンカーには家賃が発生しない分、車両代や駐車場代、ガソリン代などのコストがかかります。

特に都内や地方の中心都市は駐車場が高額に設定されていて、1ヶ月に数万円程度かかることもあるでしょう。大型車両であれば駐車できるスペースが限られてしまう点もデメリットです。

移動距離や稼働時間が長ければ、近年急騰しているガソリン代の負担もさらに大きくなります。商品価格は一度決めるとなかなか上げづらいため、今後のガソリン代のことも考慮して価格をしっかり設定しましょう。

キッチンカーの移動カフェを成功させるポイント


キッチンカーにはメリットもあればデメリットもあることがわかりました。すでに多くの移動カフェが存在するなかで成功を収めるためには、何かしらの差別化を図らなければなりません。ここではおすすめの3つのポイントを紹介します。

人目を惹くメニューを考案する

キッチンカーで商品を購入する決め手に「見た目」を挙げる人が少なくありません。華やかで個性的な見た目の商品はSNSでもバズりやすく、うまくいけばヒット商品につながる可能性があります。味はもちろんですが、商品の見た目も重視してみてはいかがでしょうか。商品そのものではなく、包装を工夫して見栄えをよくする手もあります。

集客に力を入れる

営業時間や場所が決まっていないことが多いキッチンカーは、実店舗のように認知されづらいというデメリットがあります。たとえ商品が好評でも、いつどこで購入できるのかがわからなければ、人気は上がっていかないでしょう。

お客様から認知していただくためには、Instagram、X、FacebookなどのSNSを活用して、営業情報を積極的に発信していく必要があります。お客様にはハッシュタグを付けてもらうなどして、拡散してもらいましょう。

フランチャイズに加盟する

ここまでで説明してきた通り、移動カフェは一般的な飲食店とは勝手が異なるため、開業するにしても何から始めたらよいのかわからないという方も多いはずです。

そのような方におすすめしたいのが、フランチャイズチェーンへの加盟です。全国展開している有名店であれば、商品のクオリティは担保されていますし、経営ノウハウも充実しています。宣伝などのサポートも受けられるため、初めての方も安心して運営を軌道にのせていくことができるでしょう。

キッチンカーで運営できるフランチャイズカフェのおすすめ3選

キッチンカーの移動カフェ運営をサポートしているフランチャイズチェーンに加盟すると、スイーツ類を中心的に販売できるようになります。ここからはみんコレ!がおすすめするフランチャイズチェーンを紹介します。

MOMI&TOYS

「無理のない少人数オペレーション」を実現している『MOMI&TOYS』。「火と油」を使用しないクレープが商品となるため、事故の危険性がありません。花のブーケをモチーフにした「とろけるクレープ」はフォトジェニックで、人目を惹くこと間違いなし。かわいいお店作りに憧れている方におすすめです。

店舗数
70(2024年2月時点)
開業費用
内訳:加盟金:2,200,000円
保証金:1,000,000円
開店前指導料(トレーニング):550,000円
施工費:11,000,000円
物件取得費用(保証金6ヶ月の場合) :3,300,000円
備品類:220,000円
募集エリア
全国

gelafru 『ジェラフル』

特に若い女性から人気の高いクレープやジェラートを販売できる『ジェラフル』。移動販売時には、ワーゲンバスで出店可能です。充実した研修と手厚いアフターフォローによってクレープ作りの技術を取得できるので、飲食業未経験の方にもおすすめです。

店舗数
41(2024年2月時点)

あげ焼きパン『象の耳』

『象の耳』は、オリジナルの製法で作られたあげ焼きパンを販売しています。メディアでよく取り上げられる商品は知名度が高く、お客様からも興味を持ってもらいやすいはずです。機材が最小限で済むうえにロイヤルティと研修費用は0円であるため、初めて開業する方にぴったり。キッチンカーだけではなく、狭小物件でも展開可能です。

店舗数
17(2024年2月時点)

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